第28回 証券会社にとっての良いお客


あなたは「証券会社にとっての良いお客」になってはいけません。今回はこのテーマについて説明します。
私はR証券に数億円単位の資産を入れてますが、だからと言って私がR証券にとって良いお客かと言えばかなり微妙です。少なくとも美味しいお客では絶対にないはずです。

なぜなら私は基本、売買というものを全くしないからです。買いっぱなし。保有期間は原則無限大。なので売る予定無し。ただし生活や、旅行など人生のお楽しみのために必要が生じた時にのみ、使う分(全体の極々極々一部)だけを売って現金化するだけです。

もしも、R証券の全ての顧客が私みたいなお客ばかりだったなら、証券会社として経営的に果たして成り立つかどうか大いに疑問です。

でも心配ご無用。証券会社には別に大きな収益を得る手段があるのです。それが何かを今回はゆっくり解き明かしてみたいと思います。

最近(2025年3月時点)R証券はさかんにネット広告で新NISAキャンペーン(新規顧客開拓)をやっています。これ自体は「新NISAを広める」ひいては「投資に目覚める人を増やす」という意味では実に喜ばしいことだと私は思います。しかし同時に私という投資家の目には、今回のキャンペーンに秘められたR証券の真のねらいも見えちゃうんですよねー。

R証券はすでに現在(2025年3月時点)業界トップの顧客数(口座数)を誇っています。そして私が知る限り、R証券は今まで大した宣伝もして来ませんでした。にも関わらず、これだけ顧客数を増やせたのは、それだけ顧客にとって、R証券の証券会社としてのサービス内容とコストパフォーマンスが抜群に良かったからだと私は思います。

そのR証券がなぜ今、わざわざ大々的なネット広告を展開してキャンペーンを張ってまでして(さらなる)新規顧客を開拓しようとしているのか? なぜだと思いますか?

それは「証券会社にとっての良いお客」を本腰を入れて獲得しようとしているからです。新NISAキャンペーンを張って、言わば底引き網的に大量のお客を攫えば、その中に「証券会社にとっての良いお客」が混じっている可能性がある。たぶん彼らのねらいはこれです。

今までR証券に集まった顧客は、比較的賢い客が多かったのかも知れません。つまり業界トップの顧客数を誇ってはいても、その中に存在する「証券会社にとっての良いお客」は、まだまだ全然少ないと思ったのかも知れません。だからもっとたくさん欲しい!よし!キャンペーンを張るぞ!と判断した。この可能性を私は強く感じます。

では「証券会社にとっての良いお客」とはどんなお客でしょうか?それは頻繁に株式の売買をしてくれるお客です。さらには信用取引をしてくれるお客です!もちろんFX取引もしてくれたらなお有り難い!CFD取引も大歓迎!これらの手数料や貸金料は、証券会社にとって最も重要な美味しい収益源です。

つまり、たぶんR証券は、このような「証券会社の養分」になってくれる(あまり賢くない)顧客を、これからたくさん獲得しようと狙っているのではないか? というのが私の見立てです。

もちろん、新NISAという正しい目的でR証券に口座を開設することは大賛成です!むしろ書籍「父から娘に贈る13のお金と投資の哲学」の中で、私はむしろそれを積極的に推奨しているくらいです。

断言します。信用取引も FX 取引も CFD 取引も、継続的に勝ち続けられる人は千人にひとりもいません!ほとんどの人々はひたすら証券会社の養分になるだけです!あなたは証券会社にとっての良いお客になってはいけません!

CFD だの FX だの、この手のネット広告に多くの証券会社が凄い力を入れている理由は証券会社が「養分」を獲得したいからです。

もっとも、私のようなろくに証券会社の儲けにもならない顧客( = 長期投資家。売買をほとんどしないから)が、今後も格安でR証券の素晴らしいサービスを受け続けるためには、こんなのにキッチリ引っかかってくれて、証券会社に確かな儲けをもたらし続けてくれる殊勝なる(?)養分さん達をどうしても必要としているのかも知れませんが。。。

でも少なくとも、あなたは絶対にそうならないでくださいね!

(文:UEDA / 挿絵:αβγ)


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