第29回 リスクを取る = イチかバチかではない

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インデックス投資において、リスクを受け入れることは「イチかバチかの賭けをする」ことではありません。単に「価格変動を受け入れる」ことに過ぎません。

私の母親は「愚か者であり続けることをやめられない人々」の、言わば日本代表選手、あるいは世界チャンピオンみたいな人です。このような私の母親も、私の長きに渡る執拗な「御進講」(笑)によって、しぶしぶ(それでも全金融資産の約半分ほどまでも)S&P500連動9割、NASDAQ100連動1割で投資して、ここ数年来大いに資産を増やしています。

この私の母親が投資する時に私に言った言葉 ↓

「このお金はもうゼロになってもいいねん!」

素晴らしい!まさにリスクというものを丸っ切り、全く理解できていない人の言葉です。私の母親にとって「リスクを取る」あるいは「リスクを受け入れる」とは「イチかバチかの賭けをする」ことのようなのです。

この感覚は、まさに日本人の大多数(とりわけ高齢者)がご自分の金融資産のほとんどを銀行や郵便局の預貯金で持ち、投資に踏み出せない最大の元凶であろうと私は思います。

繰り返しますがリスクを受け入れることは、イチかバチかの賭けをすることではありません。インデックス投資において「価格変動を受け入れる」という、しごく真っ当なことを、しごく当たり前に、きちんと真面目にやりなさい!もういい大人なんだから一時的な評価損くらい我慢できるだけの堪え性(こらえしょう)くらい持ちなさい!ということです。

私たち人間の心は、数十万年の進化の過程、つまり原始時代の超長期に渡る動物としての経験によって、遺伝子レベルで「お金に関する愚かさ」を持ちます。でももはや現代は21世紀です。いい加減この「愚かさ」を克服しませんか?「合理性の光」に目覚めませんか?ということです。お金に関して、本能で判断してしまう「動物」であり続けることをもう辞めにしませんか? きちんと理性で判断できる「人間」になりませんか?

以上が私が声を大にして多くの(まだ目覚められていない = リスクを受け入れることの出来ない)人々に心から訴えたいことです。

愚か者であり続けることを、本当の本当の本当に辞めましょうよ!もういい加減!

(文: UEDA / 挿絵:αβγ)


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