第31回 子供に株式投資をさせるべきか?

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はい。間違いなく絶対にさせるべきです。この点について今の私には迷いがありません。

なぜか? それは株式投資を勉強させるという目的以上に、それ以前にもっと優先順位の高い、ある重大な理由があるからです。

その理由とは、すなわち子供を「価格変動拒否症」という名の重度障害を抱えた情けない大人に育ててしまわないためです。確かに初心者のうちは価格変動が恐いのは当たり前かも知れません。しかし拒否症は異常です。しかも恐るべきことに世の中のかなりの人々が、今もリアルタイムでこの重度障害をかかえています。

私は私の書籍やこの公式サイトで「愚か者であり続けることをやめましょう」とか「臆病者であり続けることをやめましょう」とか訴えていますが、それは要するに価格変動拒否症という情けない病気から一刻も早く立ち直りましょうよ!ということです。

鉄は熱いうちに打て!子供が早いうちから株式投資に親しめば、そもそも資産とは本来的に時々刻々と価格が変動するものであり、それが当たり前である!という正しい真っ当な認識を最初から持てるはずです。

たとえば株を買えばほぼ間違いなく買った直後は(手数料分)評価損になります。そりゃあ。その後もプラスになったりマイナスになったりを繰り返すのが当たり前です。だって価格変動するものだから。それが耐えられないって。元本保証でないとダメって。頭おかしいです。ちょっと。

元本保証に固執する人って、まるで

「ぼくは標高の高い所が好きだから富士山にぜひ登りたいんだ。だけど、今いるマンションの高層階から降りるのは絶対嫌だ!だって一時的にしろ今いる場所(20階とでもしましょう)から標高の低い場所(1階ロビー)に降りないといけないんでしょ?そんなの到底耐えられない!」

と、訳の分からない駄々を捏ねる頭のオカシナ人みたいなものです。

さて子供の株式投資教育に話を戻しましょう。

時期はいつからが良いでしょうか? たぶん遅くとも小学校高学年くらいまでではないかと私は思います。なぜなら、なるべくお金についての世間一般の歪みまくった間違った常識に染まってしまう前のほうがより良いと思うからです。おそらく高校生くらいにはすでに価格変動拒否症の初期症状が出始めるようなので、それよりもずっと早い時期(遅くとも小学校高学年)から価格変動に慣れさせるべきだと私は思います。

私は子供に貯蓄の習慣をつけさせることを重要視しています。が、小学校高学年からは(親の管理とはなりますが)子供名義の証券口座を持たせて、貯蓄したお小遣いを投資する体験をさせるべきです。

私の子供達が小さい頃は、今現在ほどの確信を私は持っていなかったので、わが子には株式投資をさせていませんでした。(幸い現在大人になったわが子達は幸運にも価格変動拒否症を克服しているようです)しかしその後、今の世の中にいかに価格変動拒否症の大人たちがあふれ返っているかを知るにつけ、しかもそれがなかなか治らないという情けない実態をこの目で見るにつけ、大いに危機感を感じ、これは全ての子供達への必須の家庭教育として絶対に実行すべきだ!と、私は現時点(2025年5月時点)強く結論している次第です。

(文: UEDA / 挿絵:αβγ)


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