第37回 高校の金融教育について

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2022年4月から高校で金融教育が行われています。これ自体は素晴らしい事で喜ぶべき事だと思います。しかし、それでも依然としてお子様へのお金と投資の教育は(学校ではなく)親がしなければなりません。そうしなければならない理由について、今回は述べたいと思います。

最近、私が実行したある行動とその(現時点の)結果およびそこから生まれた私の考察を今回は皆様と共有したいと思います。

私はつい最近(2025年3月後半)ある政令指定都市のすべての全日制高校(公立も私立も全部)の校長先生宛てに私の著作を郵送しました。サンプル数的には100校弱です。添付したメッセージには今高等学校で行われている金融教育の問題点(ほぼファイナンシャルプランナー知識であって投資には繋がりにくい)と、その解決策についての提案を記しておきました。しかし今のところ反応はゼロです。

まぁこの事自体は、ただ単に私のダイレクト・レスポンス・マーケティングがコケたというだけの現象に過ぎません(笑)

しかし一方で、もうひとつのある不吉な可能性も示唆されているかも知れないと私には思われました。それは、、、ほとんどの高等学校でリーダーたる校長先生ご自身の金融教育への関心が極めて低い可能性があるということです。おそらく校長先生方にとっては、生徒達の受験につながる学力向上こそが(この2025年現在においてすら)最重要関心事なのかも知れません。また、もしかしたら学校長に選ばれ易い人材としての特性が、株式投資(あるいは資本主義)とは相性が悪い傾向があるのかも知れません。

したがって、高校の金融教育に過度な期待は禁物だと私は思います。というより全く期待できない可能性があります。そもそもおそらく校長先生方のほとんどは、私が常々主張する「愚か者であり続けることを辞めること」も「臆病者であり続けることを辞めること」も出来ている出来ていない以前に関心がないと推察されます。さらには人類の経済の歴史についてもあまりよくご存知でない可能性を感じます。つまり、あの方々のもとでは(もしかしたら)投資教育はかなり難しいのかも知れません。

あの方々の教育の目的とは(結果的に)あくまでも生徒達を優秀な従業員(employee)あるいは自営業者(Self-employed)に育てることであり、優秀な投資家(Investor)に育てる発想がそもそも無いのかも知れません。つまり、子供達をキャッシュフロー・クワドラントにおけるEあるいは S にさせるための教育であり、そのような教育しか現時点学校では行われていない(あるいは行えない?)という事です。

ロバート・キヨサキ氏が2000年頃に指摘したこの実態は四半世紀を経た2025年現在においてすら、少なくともわが国日本では残念ながら不変のようです。

これほどまでにわが国では学校の制度やカリキュラムが改善・進歩するのは容易なことではありません。であるならば私達自身で自衛するしかありません。子供への真の金融教育すなわち投資教育は、親御様ご自身が実行するしかないし必ず実行すべきです。

以上が今回の事で私が感じた世の中の(可能性の高い)実体です。

とは言え、もしもこれをお読みになったいずれかの高等学校の校長先生がいらっしゃったなら「過ちては改むるに憚ること勿れ」と、ぜひ勇気をもっていただきたいです。どんなに遅くなっても構いません。目覚められたなら、どうぞ私に連絡なさってくださいね!

(文: UEDA / 挿絵:αβγ)


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