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第38回 毎月分配型投資信託は、なぜゴミクズなのか?

日本のご高齢者が大好きな金融商品に、毎月分配型投資信託なるものがあります。
恐らくこの商品を買うご高齢者は、元本がそのままで、毎月の分配金が、まるでお小遣いのように入ってくるイメージを抱いて、このような商品を選んだんだと思われます。また売る金融機関側も、敢えてそのような誤解を顧客に与えてしまうことを承知の上で販売しているように私には思えてなりません。
しかし、私が知る限り、この手の商品の多く(あるいはほとんど、あるいは全部)は元本を削って毎月の分配金を確保しています。まるでタコが自分の足を喰ってるみたいなものです。本当に酷い誤魔化しです!これゆえに毎月分配型投資信託は正にゴミクズ商品であると私は断言します!
なぜご高齢者は、このようなゴミクズ商品を選んでしまうのでしょうか? それは彼ら彼女らが金融商品、とりわけ株式投資に極めて極めて疎いからです。
彼ら彼女らは確かに長きに渡る時間の中で、それこそ様々な荒波を乗り越えて来た、まさしく人生のベテランです。しかしながら株式投資については、、、はっきり言います!小学生どころか幼稚園児どころか、完全に赤ちゃんです!これはたとえ元企業経営者、元社長、元重役みたいな、ある意味、資本主義社会の勝ち組と一般には思われている人々ですら、全く例外ではありません。
しかし一方で、これは必ずしもご高齢者に限ったことでもないかも知れません。
と言いますのも、多くの日本人は一般に、どうも配当型の収入を得ることを特に好む傾向があるみたいだからです。
しかし株式投資において配当を重視する戦略は、(長期的なパフォーマンスの最大化を本当に望むなら)悪手です。株式投資の儲けの重点はあくまでもキャピタルゲインに求めるべきであり、インカムゲインを重視すべきではありません。これは長きに渡る過去の膨大なデータから統計学的に明らかです。
質問:「配当を当てにしないなら、どうやって蓄積した資産の果実を味わえばいいの?」
答:簡単です。資産を取り崩せばいいだけです。具体的には、使いたい金額分だけ株を売ればいいのです。
質問:「でも、それではせっかく蓄積してきた株数が減ってしまうのでは? どんなに巨大な株式資産があったとしても、株数は有限なのだから、取り崩し続ければ、限りなくゼロに近づいてしまうでしょう?」
答:いいえ。資産額の平均増加額の範囲内で取り崩す限り永遠に株式資産は減るどころか増え続けます。株数は、確かにいったんは減っていきますが、残った株の価値が膨張し続けるので、いつか株式分割が行われます。この時に一気に株数は何倍にも増えます。だからどんなに取り崩し続けても(常軌を逸した取り崩し方をしない限り)株数は永遠にゼロにならないどころか、永遠に限りなくその数は増え続けます。
インカムゲインの呪縛から解放されましょう!毎月分配金の甘い罠に引っかからないようにしましょう!高配当株が、長期的な資産の最大化の目的にはあまり相応しくないのは明らかです。
まぁもっとも、事情を全て分かった上で、自分自身の個人的好み、投資家としての嗜好として高配当株投資をされることは、私は必ずしも否定しません。
(文: UEDA / 挿絵:αβγ)
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