第46回 自営業者マインドからの脱却をめざせ!

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今は亡き私の父は、現在の法人を立ち上げた功労者であり、とても精力的で活動的な人でした。人間的魅力にあふれ数多くの友人がいました。そして、典型的な『自営業者マインド』の持ち主でもありました。

『自営業者マインド』とは何でしょう?それは誰よりも自分が一番優秀である(でないと我慢できない)というマインドであり、基本的に何でもかんでも自分でやってやる!という積極的なマインドです。一方で、自分がやらないと気が済まないというマインドでもあります。

会社をゼロから立ち上げるには必須のマインドです。でも一方で行き過ぎると、仕事を何でもかんでも抱え込んであまりにも忙しくなりすぎたり、優秀な部下を使いこなせないといった弊害も出てきます。私の父はなまじ仕事が出来スピードも神速だったので、出来ちゃうんですよね。部下への嫉妬はさほどではなかったですが私に対しては少しありました(笑)ただし私の父ではありませんが、知っている人で『自営業者マインド』があまりにも強すぎる人は(もちろん本人は仕事人として超優秀なのですが)優秀な部下を上手く使えない、優秀な部下がすぐ独立する、という現象が見受けられました。ひどい場合は裏切られるとか。

『自営業者マインド』の最大の問題点は、①優秀な部下と競争してしまう。②その結果、優秀な部下が長続きせず独立してしまう。③経営者(本人)ひとりに過度に依存した経営体質のため、万一経営者本人にもしもの事があると瞬時に会社は崩壊してしまう。

さらに言うと『自営業者マインド』が強過ぎる人は、本心では優秀な部下があまり好きではありません。心の奥底で優秀な部下を恐れすらしてしまいます。また会社内で自分が一番優秀でないと気が済まず、「やっぱり社長がいないとダメだ」とか「さすが社長!やはり社長が一番」みたいな事を人から言われて喜んでしまう(本当に困った)メンタリティがあります。

事業が軌道に乗ったなら、次は社長みずからがこれまでやって来た仕事を、他人(部下)に任せていく行動が必要です。そのためには『自営業者マインド』からの脱却が不可欠です。そしてマインドを次のステージに進化させないといけません。

話は変わりますが、有名なアンドリュー・カーネギーの墓碑銘の話をここでします。カーネギーは1901年のスピーチで、以下の文言を発表し「自分の墓石に刻んでもらいたい」と述べました。結果的に彼のこの願いは実現しませんでした。(実際には彼の墓石にこの文言は刻まれなかった)しかし実に素晴らしい輝くような文言なので、以下に披露させていただきます。

Here lies a man who knew how to enlist in his service better men than himself.

「 己より優秀な人々を従わせる術を心得し者、ここに眠る。」

なんと素晴らしい言葉でしょう!これぞ『ビジネスオーナー・マインド』というものです!『自営業者マインド』から『ビジネスオーナー・マインド』へとマインドを進化させましょう。キャッシュフロー・クワドラントの (自営業者)から (ビジネスオーナー)へと進化しましょう。いつまでも優秀なソルジャーであり続けたいという願望・未練をいい加減手放しましょう。そしてこれからは優秀なジェネラルを目指しましょう。自分より遥かに優れた人を人材として愛し、尊敬し、賞賛し、信頼し、部下に招き入れられる器の大きい(アンドリュー・カーネギーのような)より高次元のマインドを自分の中に(時間をかけて)育てていきましょう。築いていきましょう。たとえ何度躓くことがあっても諦めずに目指し続けましょう!

(文: UEDA / 挿絵:αβγ)


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