第77回 今現在 新NISA で積立投資を実行できている皆様へ「勝利のための秘訣」


まずはお祝い申し上げます。おめでとうございます。あなた様は今現在『未来のお金持ちへの道』を間違いなく歩んでおられます。(ちなみに私が考えるお金持ちの定義については『第6回「お金持ち」の定義』をご参照ください)

さて世の中には自称投資のプロなる者がいます。彼らは「S&P500 へのインデックス投資なんて能力のない素人がやることだ!」みたいな侮辱的な事を言う時があります。しかし気にする必要は一切ありません。なぜなら彼ら自称投資のプロ達の中で、あなたに(運用成績で)長期的に勝てる人間などほとんど存在しないからです。

いちおう念のため確認しておきます。確かに S&P500 連動に投資すること自体は(百歩譲って)平凡かも知れません。しかし、ご自分の全金融資産のほとんどを S&P500 連動に投資することは決して平凡ではありません。それが出来る人間は稀であり、非凡( = 未来においてお金持ちになっている可能性が高い人)です。

すでにご存知かと思いますが、成功の秘訣はこれから先、それこそ雨が降ろうが槍が降ろうが今現在実行なさっている積立投資を断固として続けること、愚直に続けること、馬鹿になったつもりで続けること、ただただひたすらこれに尽きます。これだけで世の中の自称投資のプロ達があなたに勝つことは(少なくとも長期的には)ほとんど不可能となります。

さて、とは言うものの、皆様は今現在『お金持ちへの道』に確かに乗られてはいますが、果たして最後までこれに乗り続けられるかどうかはまだ分かりません。途中で脱落する可能性も十二分にあり得ます。なぜなら皆様がゴールに辿り着くまでには様々な罠があるからです。

そこで今回は、皆様がそのような様々な罠をうまく避けて、最終的なゴールに必ず辿り着けるための必勝の秘訣をお伝えしようと思います。

まず、ゴールについては次の二通りのゴールが考えられます。

A.積み立てのゴール

B.ご自分が目指す究極のゴール

それぞれ説明いたします。

A.積み立てのゴールとは何か?

積み立てのゴールは、あなたの資産の自然増殖のペースが充分に速くなった時に訪れます。資産の自然増殖のスピードが充分に速くなると、もはやさらなる積み立てがバカバカしくなる瞬間がいつかやってくるんですよね。

たとえば毎月5万円をS&P500に積立投資していたとしたら、ざっくり30年くらいで1億円を越える可能性が高い。1億円の運用益は月平均で(計算上)83万円ほど期待できます。するとこれは毎月の積立金額(5万円)の実に16倍以上であり、それだけの金額が勝手に増えるわけだから、それよりも遥かに小さい金額の積立金をわざわざ積み立てるのがバカバカしくなってしまうわけです。

ここまで来れば(いや、もっと以前でも)積立は中止しても良いかもです。現に私はかなり以前からもはや積み立てはしていません。むしろ時々取り崩しすらしています。それでも増え続ける。これはこれで立派なゴールのひとつと言えるのではないでしょうか。

B.ご自分が目指す究極のゴール

これは人それぞれです。1億円をゴールと考える人もいらっしゃれば5000万円でいいと考える人もいらっしゃるし「老後2000万円問題」を解決するために2000万円に達すればそれで良しとするのもひとつの考えです。これはあくまでも各個人がご自分で決めるべき事であり、私がとやかく言う事ではありません。

逆に2億円を目指してもいいし、3億円を目指してもいい。あるいはそれ以上でも。確かに言える事は、資産は大きくなればなるほど増える速度が加速しますから、ご自分が当初目指していたゴールを一旦達成してしまうと、たいてい次の高みを目指す人が多い傾向があります。もはや積み立てなどしなくても(なんなら多少取り崩し続けても)放っておけばどんどん勝手に大きくなり続けるわけですから。

避けるべき5つの罠

さて、以上のような夢のように素晴らしい未来を見ていただいた上で、ここからは、そこに必ず辿り着くための避けるべき5つの罠についてご説明いたします。

①暴落にびびって損切り

②暴落で損切りしないまでも積立をやめる

③生活上の都合で積立を(一時的に)やめる

④少し資産が大きくなったからと言って取り崩す

⑤積み立てを始めずに銀行預金のまま温存し「暴落が来たら買ってやる!」と考える

さてそれぞれ解説いたしましょう。

まず①暴落にびびって損切りは論外です。最低・最悪です。米国株が暴落した時に損切りなどしたら、大損して永遠にお金持ちにはなれなくなってしまいます。確かに暴落は怖いです。減り続けるご自分の資産総額を目の当たりにすれば、まるでお風呂の湯船の栓が抜かれてお湯が凄い勢いで流れ出していくように、ご自分のお金が限りなく失われ続けていくみたいで、たいへんな恐怖を感じるかも知れません。でも断固として耐え抜くしかありません。もしも怖くなったなら、当分ご自分の証券口座は見ないことです。(← けっこう重要)

さて、②暴落で損切りしないまでも積立をやめるというのは、①ほどではないにしろめちゃくちゃ勿体無いです。暴落して安くなった株を買い集めないなんて愚かにもほどがあります。いいですか? インデックス積立投資の本質とは『株数を増やすゲーム』なのです。あなたの未来にとって、今目の前にあるご自分の証券口座に表示された資産総額の数字も、今現在の株価も(確かに気になるでしょうが)大した意味はありません。あなたにとって意味がある数字は株数のみであり、あなたにとって本当に意味ある株価とは(現在の株価ではなく)未来の株価のみです。次の等式をしっかりと見て肝に銘じてください。

未来の資産額 = 未来の株価 × 未来の株数

この等式の項の中で、あなたにコントロール可能なのは未来の株数だけです。そして暴落時は株数を増やす絶好のチャンスなのです。だって同じ積立金額でより多い株数が買えるのですから!

次は③生活上の都合で積立を(一時的に)やめるについて。生活のためなら一見やむを得ないようにも思われますが、なんとか他で倹約して極力避けるべきです。どうしても無理と思われたのなら、ならばせめてやめるのではなく、積立金額の減額・縮小にとどめておく。そしてたとえ少しでもいいから積み立て続ける。積立額をゼロにしてしまうと、ゼロのまま長い期間が経ってしまいがちになります。そして未来において恐らく、あなたは「あの時、積立額をゼロにしなければよかった。たとえ減額してでも、ほんの少しの金額ででも積み立てし続けるべきだった(涙)」と、後悔するはめになる可能性が極めて高いと思います。

④少し資産が大きくなったからと言って取り崩すのもめちゃくちゃまずい行為です。この行動は『貧乏人マインド』から抜け出せていない人がやってしまいがちな典型的行動です。多少大きめの資産を築けていたとしても、このような人は(極めて大きな確率で)もとの木阿弥に戻ります。『貧乏人マインド』は恐ろしいです。その恐るべき破壊力(ボンビー・パワー)を舐めてはいけません。だからこれを機に『貧乏人マインド』からは完全に脱却してしまいましょう!

⑤積み立てを始めずに銀行預金のまま温存し「暴落が来たら買ってやる!」と考えることも愚かです。過去の米国株市場平均の長期チャートを見て少し論理的に考えれば分かることなのですが(それでも意外とこれをやってしまう投資家は多い)暴落を待つ間の圧倒的機会損失によってその運用成績は『暴落など待たずにすぐ積立投資を始められた人』にボロ負けします。

さて、以上の項目ではあげませんでしたが、投資方針がブレるのも『凶』です。たとえば S&P500 に積み立てているなら、とことん S&P500 で行くべきです。たとえ全世界株のパフォーマンスが仮に S&P500 を上回るシーンがあったとしても、安易に乗り換えるべきではありません。もしも乗り換えたなら今度は S&P500 の調子のほうが良くなり、またまた乗り換えたくなります。つまりいつも安くなった物を売って高くなった物を買うという、言わば常に貧乏くじを引き続ける可能性が高いです。お気をつけください。

最後にウォーレン・バフェット氏の超重要な次の言葉を皆様に贈り、本記事を締めくくりたいと思います。

“The stock market is a device for transferring money from the impatient to the patient”

— Warren Buffett


株式市場とは、我慢のできない人から我慢のできる人へとお金を移動させる装置である。

ウォーレン・バフェット

(文: UEDA / 挿絵:KATO )


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