第85回 世界の新富裕層はなぜS&P500を買わないか?(に対する反論)

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最近このようなニュアンスの本が出ましたので、真面目にS&P500に積立投資できている皆様のためにも、一言反論しておくべきだと私は思い立ちました。

世界の新富裕層はなぜS&P500を買わないか?

この主張が本当かどうか私には分かりません。しかし仮に事実だと仮定して私なりに理由を考えてみます。

まず第一の理由は、もしかしたら世界の新富裕層の多くがビジネスの人(ビジネスで儲ける事が超絶得意な人)だからかも知れません。ビジネスの人は基本的に株式投資が不得意です。というか下手くそです。(参照:ブログ記事『第7回 社長はなぜ株式投資が下手くそなのか?』)

次に第二の理由として、世界の新富裕層の一部は不動産投資のプロフェッショナルの方々がいらっしゃるのかも知れません。不動産投資家と株式投資家とは同じ投資家と言っても投資家としての性質がまるっきり違います。そして不動産投資が超絶得意な方って(正直)株式投資についてはあんまりよく分かってらっしゃらない方が多いなーと私は常々感じています。

今、S&P500にコツコツ積立投資できている皆様は、そのような方々からの雑音にくれぐれも惑わされないようお気をつけください。彼ら彼女らはもちろん超絶優秀な方々です。しかし彼ら彼女らが、その超絶優秀さを発揮するのはあくまでも彼ら彼女らの得意分野においてだけです。

不動産投資について学びたい時は、彼ら彼女ら不動産投資が超絶得意なユーチューバーの言うことに耳を傾けましょう。

しかしながら、彼ら彼女らが(もしも)株式投資について何か発言した時は厳に注意が必要です。なぜなら彼ら彼女らは(得意分野以外の事については)結構ズレたことを平気で(しかも)自信満々に語っている場合が極めて多いからです。

最近の米国株は過熱感がささやかれています。実際過熱してると私も思います。S&P500だってこれから暴落することは当たり前にあり得ます。当然です。

ちなみに、これは私の個人的な感想ですが、一般に不動産投資が得意な人( = 優秀な不動産投資家)って、株価の暴落に対してメンタル的に弱い人が多いように感じます。

また、「アメリカの覇権はそろそろ終わる」=「米国株の時代はそろそろ終わる」とおっしゃる方がいらっしゃいます。この方々は、今までのアメリカの歴史が順風満帆だったとでも思っておられるのでしょうか? アメリカは、昔から結構ぐだぐだな事あり、とんでもない大失敗をする事もあり、常に世界中の識者達から未来を危ぶまれ、いつも問題だらけの中で泥まみれになりながら(それこそ)七転八倒しながら困難に対処し続けて来た結果、過去225年間にも及ぶ米国株市場の超長期的かつ驚異的な成長を成し遂げて来たのです。

まぁとは言え、もしどうしても世界の新富裕層たちがあくまでもS&P500をお買いにならないとおっしゃるなら、そりゃもう「お好きにどうぞ」と申し上げるのみ。私たち平凡な、だけど愚直に粘り強くS&P500に投資し続ける凡人は、(資産額のスケールではかなわなくても)今この瞬間から後の長期的パフォーマンスにおいては(S&P500を買わないという)世界の新富裕層のほとんどの方々に、余裕でボロ勝ちさせていただきます。

(文: UEDA / 挿絵:KATO )


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