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第94回 金融のプロほどプロの名に相応しくないプロはない

私たちは、この社会の中で大いにプロの力を借りて日々の生活や仕事をしています。
たとえばもしもある日、あなたの車の調子が「なんか良くないなあ!(涙)」と思った時、どうされますか? おそらく町の修理工場に持って行って、自動車整備士さんすなわちプロに見てもらうでしょう。
建築物を作ろうとした時、設計も施工も普通はお金を出してその道のプロ(設計士や施工業者)にお願いします。これら(設計&施工)を自分自身で自力でしようとする人は(普通)いらっしゃらないでしょう。
このように通常プロは私たちの生活に必ずいなくてはならない存在です。私たち自身も(たいてい)私たちの仕事においてはプロであり、素人さんよりも優れた仕事を提供して報酬を得ていますよね!
世の中には無数の、そして様々な種類のプロが存在し、彼ら彼女らがいい仕事をしてくれるおかげで私たちの社会活動や生活は成り立っています。プロは、私たちの仕事や生活を支え、ひいては私たちの人生をより実り多く幸多きものにする手助けを提供してくれる素晴らしい存在です。
しかしながら、この世の中にはプロの名に相応しくないプロも存在します。これこそが金融のプロ。より厳密には「金融商品を販売しようとする証券マン、銀行員、保険の営業の人々」です。
さて、ある日ある時、あなたは次のように思ったとします。「お金を定期預金に入れていてもインフレにやられちゃうし、運用しようかなー」と。あなたがこのように思われたこと自体はとても素晴らしく喜ばしい事だと私は思います。
しかしながら、もしもあなたが「運用って言ってもよく分らないし、、、運用するってことは金融商品を買うってことなのか、、、だったら金融商品に詳しい金融のプロに相談しよう!」と思われたなら、そのご判断は最低・最悪のご判断であると私は断言せざるを得ません。なぜなら「金融のプロ」こそは、あらゆるプロの中で一番プロの名に相応しくないプロだからです。あなたが資産の運用について金融のプロに相談をしに行くということは、たとえるならカツオ節が猫に相談をしに行くようなものです。あなたは鴨ネギ以外の何者でもありません。
もちろん彼ら彼女らは決してもともと悪い人なわけではありません。そうではなく業界の構造的問題です。販売側の「金融のプロ」達と、顧客側のあなたとは、宿命的に利益相反の関係となってしまっており、この利益相反こそが彼ら彼女らをしてプロに相応しくない存在にしてしまっている根本原因です。
彼ら彼女らは、証券会社や銀行や保険会社に勤務していて、当然そこからお給料をもらって生活しています。と言うことは、彼ら彼女らは会社の儲けに貢献しないといけないということです。このような事情のために、彼ら彼女らは「顧客が儲かる金融商品」ではなく「会社が儲かる金融商品」を、あなたに熱心に勧め、売り付けようとして来るわけです。
実際、彼ら彼女らが販売する金融商品は、とにかく手数料がバカ高い。投資先じたいはまともな商品だなって思う場合でも、手数料が、良くて一桁、酷ければ二桁高いのです。例えば S&P500 に連動する ETF の一つである VOO の経費率は 0.03%ですが、銀行(厳密には銀行が紹介する提携証券)で S&P500 に連動する投資信託を買えば、何と経費率が1%以上もあったりします。経費率のこの高さは長期的パフォーマンスに大きなマイナスの影響を与えてしまいます。
とは言え、コストが高いだけならまだ正当化できる場面はあり得ます。例えば 80歳を越えるご高齢者の場合、ネット証券の口座をご自分で開設して使いこなし、ご自分で投資を実行するのはなかなか難しいでしょう。だから、このような方々のためには、多少コストが割高でも、手取り足取りナビゲートしてくれる金融のプロの存在価値は大いにあると私は思います。現に、私の 85歳の母親も投資するにあたっては銀行および銀行の提携証券のお世話になりましたので、このこと自体は本当に有り難いと思っています。
ただし、私という人間がいて付き添って差配したからこそ、と言うのがあります。私が、母が買うべき金融商品を厳正にチョイスしたので(手数料は高くても)投資対象はまともなのが選択できました。結果、私の母親は(昨今の米国株高と円安の恩恵を受け)大いに資産を増やしております。でも、もしも私が付き添っていなかったならどうなっていたか分かりません。酷い有様になっていた可能性を私は強く感じます。
と言うのも、私の父親が存命中に同じ銀行から買った金融商品に極めて悪質なものがあったからです。これこそが「毎月分配型投資信託」です。詳しくは過去の私のブログ記事「第38回 毎月分配型投資信託は、なぜゴミクズなのか?」をお読みください。要するに元本を削り取って配当するという「タコが自分の足を喰ってる」ような(私に言わせれば)詐欺まがいの金融商品です。もちろん彼らに抜かりはありませんから、巧妙に設計し、巧妙に文書を揃え、巧妙に説明し、上手く合法的になるよう巧妙に仕組んで売り付けているはずです。
後期高齢者が投資するには、多くの場合やむを得ず金融のプロに頼らざるを得ないケースが多いでしょう。しかしその場合は、必ずあなたが株式投資のマスターとしてその場に立ち会わなければいけません。でないと大切なご両親の資産が激減させられる可能性があります。だからあなたは、まずはご自分なりの「お金と投資の哲学」を獲得し、とにかく米国株投資で成功してご自分の資産を増やし、株式投資についての不動の信念と自信と見識を身に付けてください。
基本的に金融のプロ達の多くはお金を増やす能力が無いか、あっても大したことありません。だから、あなたが自分自身を賢明なる投資家として正しく育てることが出来たなら、あなたの資産の運用成績は、金融のプロが勧めるであろういかなる金融商品にも(少なくとも長期的には)ボロ勝ちします。必ず。ごく普通に。当ったり前に。
(文: UEDA / 挿絵:αβγ)
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