第95回 株式投資の儲けのコツは資産が増えても変わらない

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『株式の長期投資』というものには、「一度会得した儲けのコツは、資産が増え、投資規模がいくら拡大しても基本全く変わらず(ほぼ無制限に)通用し続ける」という極めて面白い特徴があります。

たとえば「1万円を2万円に増やす」のも「1億円を2億円に増やす」のも、株式の長期投資においては難易度も必要な期間も全く同じです。実際に実行する操作もほとんど変わりません。

両者を比較してみて唯一違う点があるとすれば、それは PC上で金額を入力する時に、後者は前者よりも「ゼロのキーを叩く回数が4回多い」ということだけです。

当たり前と言えば当たり前です。一見何でもない事のようにも見えます。しかし、よくよく考えてみればこれは実は物凄いことであり、極めて驚くべきことであることが分かります。

例えば、不動産投資の場合を想像してみてください。

不動産投資においては(株式投資においてもそうですが)タネ銭とも呼ばれる最初の投資資金(初めは働いて稼いで節約して貯めるしかない)は、まだまだ少額にならざるを得ません。この金額がもし 300万円だったとしたら、300万円なりの物件を探して買うしかありません。(規模の小さい築古の木造中古アパートなどでしょうか)

しかし最初に買った物件が投資物件として優良な物件で、家賃収入も計画通りだったなら、その物件を担保にして銀行から資金を引っ張ってくる事もできるでしょう。こうして銀行から借りた資金でさらに新たな物件を買う事が出来るわけです。そして幸運にもこの人に才覚があり、ご自分なりの「成功の方程式」が確立できたなら、レバレッジを活用したこの「成功の方程式」を繰り返すことによって、比較的短期間で資産を大きく増やす事ができるでしょう。

このスタートダッシュの速さは、まさに不動産投資ならではです。株式の長期投資家はこのスタートダッシュにおいて、優秀な不動産投資家には到底かないません。圧倒的に不動産投資家の方が、株式の長期投資家よりも速く資産を拡大できるでしょう。

しかし、成功を納め続けるうち、やがてこの優秀な不動産投資家は必ず戦略の見直しをせまられます。

なぜなら、不動産投資は投資規模によってその戦略は必然的に変わらざるを得ないからです。そりゃあ 300万円規模の不動産と、3億円規模の不動産と、300億円規模の不動産とでは、それぞれ購入する不動産の質も規模も物も、必要とされるスキルやノウハウや戦略も全く異なるであろうことは(不動産投資家でない私でも)容易に想像がつきます。

また、規模が大きくなると管理の作業量も膨大になるので、どうしても人を雇って管理組織を立ち上げざるを得ません。家賃や賃料の徴収等の実務や事務作業も同様です。トラブルに対処するためには法務部を作る必要もあるかも知れません。

結局、大きく成長し続ける不動産投資家は、その成長の過程で何度も何度も(青虫がサナギになって脱皮して蝶になるみたいな)大きな自己変革を余儀なくされます。「それこそ人間の成長だ!」と前向きに捉えればそりゃあもちろんそうです。しかしそれでもその都度、不動産投資家は「変革」の試練とストレスを受け続けることになる。そして、いつの日か彼( or 彼女)がこの「変革」に疲れた時、彼( or 彼女)の不動産王国は成長を止めるでしょう。そこが彼ら(彼女ら)の資産スケールの限界です。

さて、株式投資に話を戻しましょう。

勘のいい人はもうお分かりですね。そうです。株式投資の場合は、どれだけ資産規模が拡大しても、そんな自己変革など基本必要ありません。人を雇う必要もありません。会社組織を作る必要もありません。株式投資では資産額 300万円でも 3億円でも 300億円でもやる事は(些細な差異を除けば)全く変わらないからです。ずっと同じまま。Mac Book 一台でできます。

まさにこの点に、私は株式投資というものの底知れぬ可能性を強烈に感じます。確かに、株式の長期投資家はスタートダッシュの資産形成速度では優秀な不動産投資家に到底かないません。やはり不動産投資では取得不動産を担保にした銀行融資というレバレッジを使えますからね。しかし資産規模が数億円〜数十億円規模以上になってくると(先に説明した理由から)俄然「不動産投資」よりも「株式投資」の方が、資産拡大においては明らかに、そして圧倒的に有利になります。

株式の長期投資家は、不動産投資家と比べて目指し得る資産の上限が遥かに高い。おそらく少なくとも1兆円くらいまでなら基本全く変わらないと思います。ただし仮に1億円からスタートして1兆円に到達するには(計算上)約120年かかりますが(笑)とは言え、忍耐強い株式の長期投資家は、優秀な不動産投資家よりも夢見られるゴールの高さが桁違いに高いという事です。

優秀な株式長期投資家が所有する資産は、彼の寿命が続く限り指数関数的に増え続けることでしょう。ウォーレン・バフェット氏の資産がそうであるように。

(文: UEDA / 挿絵:ネットの拾い物)


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