第97回 現金と預貯金は資産としてカウントすべきではない


今、あなたの手元にある現金や、銀行や郵便局にあるあなたの預貯金は、本来あなたの資産としてカウントしてはいけません。

これらは単なる流動性です。流動性とは、あくまでも日々の生活費(あるいはせいぜい数ヶ月先くらいまでの生活費)を賄(まかな)うためのものであって、つまり最初から「いつか使われて消えて無くなる運命にあるお金」だからです。消えて無くなると分かっているお金( = 流動性)を、ご自分の資産としてカウントするのはまずいでしょう。

少し違う角度から論じると、、、したがって流動性に大きすぎる金額は絶対に入れてはならない!という事にもなります。当たり前です。流動性とは現金や銀行預金や郵便貯金なのですから、つまり富を生み出すチカラが事実上ゼロの存在です。かつてロバート・キヨサキ氏が指摘したように、そもそも富を生み出すチカラの無い存在は資産ではない。(※1)

それどころか金額の大きすぎる流動性はインフレに対して完全に無防備です。たった年数%程度のインフレで、静かに、しかし着実にあなたのお金は購買力を削られて行きます。知らないうちに(永久に限りなく)紙屑化して行きます。株式の暴落は(落ち方は一見ひどいように見えても)いつか必ず回復します。しかしインフレは回復しません。インフレによって失われた価値は失なわれたままです。永久に。大インフレ時代となった今、私からすれば「よくもインフレに完全無防備なそんな恐ろしい場所(自分の手元や銀行や郵便局)に、命の次に大切な資金を(しかも大きな金額で)呑気に置いておけるものだなあ!」と、そのあまりの迂闊(うかつ)さと愚かさに本当に信じられない思いです。

とは言うものの、資産形成をスタートしたばかりで資産総額がまだまだ小さいうち、あるいは投資を始めたばかりでまだまだ価格変動に自分自身が充分耐えられるか自信がないうちは、銀行預金が占める割合がある程度大きくなるのは仕方ないかも知れません。しかし長期的な最終目標としては、現金・預貯金の比率をあなたの全金融資産の(必ず)10%以内にすることを目指すべきです。

すぐには出来なくても段階的に少しずつ抑えていくのです。たとえばもし今、現金・預貯金比率が80%ならまずは 70%に。70%なら次は 60%に。60%なら次は 50%に。こんな具合に徐々に銀行預金比率を下げて、逆に株式比率を上げていくのです。そして最終的には現金・預貯金比率は必ず10%以内に抑えること。そして株式やゴールドなどのリスク資産の割合を少なくとも90%くらいまでは引き上げましょう。

断言しておきますが、現金や預貯金を自分の資産だと思ってしまう人、自分の資産としてカウントしてしまう人、大きな金額をそこに入れたまま放置して平気な人は、お金に対するマインドとしてかなり大きな問題を抱えていると自覚してください。本当に危険です。このマインドは、あなたを貧乏へと引きずり下ろす恐ろしい引力を持っています。

一方で、株式比率の高さは、あなたをお金持ちへと引き上げてくれる極めて強力な引力を持っています。

そしてこの両者の力比べにおいて、もしも貧乏へと引っ張る引力の方が(たとえ僅かでも)勝っていたなら、当然あなたはお金持ちから限りなく遠ざかり続けてしまうでしょう。

世の中の多くの人々が持つ「現金や預貯金を安心・安全だと感じる」マインドも、間違いなく人類が必ず克服すべき「お金についての愚かさ」の最も深刻なもののひとつです。

(文: UEDA / 挿絵:αβγ)

(※1)ロバート・キヨサキ氏による資産と負債の定義:資産とは、あなたのポケットにお金を入れ続けてくれる物。負債とは、あなたのポケットからお金を抜き取り続け物。


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