戦略とはトータルとして最終的に勝利するための根本的な方針・方策です。戦術とは個々の局地戦において勝つ方法です。
そして資産運用においては、アセットアロケーションこそが戦略にあたり、ポートフォリオが戦術にあたると私は考えています。
私たちは多くの場合においてポートフォリオについては結構一生懸命考える傾向があるように思います。たとえば個別株なら、どの株を買うべきか、どれだけ買うべきか、いつ買うべきかを考えます。そして各個別株同士をどのような比率で持つべきかを考えます。インデックス投資なら①オルカンがいいのか? ②S&P500がいいのか? はたまた③NASDAQ100がいいのか? それらを比率を決めて混ぜるのか? などなど。これらは言わば戦術について考えているのです。
しかし、あなたの資産が最終的にどれだけ拡大できるのか、どれほどの高みにまでたどり着けるのか、この一番の肝心要(かんじんかなめ)に、本当に一番大きな影響を与えるのは、あくまでも戦略であるアセットアロケーションです。すなわち、自分の全財産の中で株式比率をどれだけ高められているかです。
仮にインデックス投資の成績が、
③ > ② > ①
であったとしましょう。
どんなに戦術であるポートフォリオの銘柄選択が素晴らしくても、たとえばインデックス投資なら一番成績の良い③100%を選べていたとしても、そもそも資産全体に占める株式比率が小さかったなら、資産全体としてはたいして増えません。むしろ現金資産(預貯金)部分のインフレによる減価がトータルで勝ってしまって、全体としての実質価値はむしろ減ってしまっている可能性すらある。
逆に、戦略であるアセットアロケーションで株式比率が100%に近かったなら、たとえばインデックスとして一番成績の悪い①100%を選んでしまっていたとしても、資産全体としては(インフレに負けずに)大きく増やせていることでしょう。
たとえ戦術が多少拙(つたな)くても戦略が正しければ勝ちます。
しかし戦略で間違うと戦術がどれだけ優秀でも挽回は不可能です。
そして資産運用における正しい戦略とは、アセットアロケーションにおいて株式比率を極限にまで高めること。ただただこれだけです。ある意味、銘柄選択(オルカンか、SPか、ナスか)つまりポートフォリオの中身など(主要な勘所さえ、ちゃんと押さえられているのなら)二の次三の次とさえ言える。
株式インデックスにフルインベストして、
半永久的に市場に居続ける。
これこそが「誰もができる」資産運用で長期的に必ず勝つ最強の戦略です。極めて簡単。
(文: UEDA / 挿絵:αβγ)

コメントを残す