第112回 あなたが持っている現金はどんどん暴落する


私が思う『この世の七不思議』のひとつは、高学歴で頭も良く年収も高い、いわゆるエリートと呼ばれるような人達の中に、ご自分の資産のほとんどを頑なに銀行預金で持ち続ける人がいらっしゃることです。

彼らがそうする理由は(私には想像するしかないですが)恐らく「株なんかに投資していたら、暴落して財産を失う」と思われているのかも知れません。

確かに過去224年間を振り返れば、米国株市場平均は何度何度も暴落して来ました。しかし皆様すでにご存知のように、常に必ず株式市場は回復し、暴落しても(まさに)倍返しでさらなる高みを更新し続けて来ました。

先のエリートの皆様は、本当の本当に銀行預金が安全だと思っておられるのでしょうか? この点が私には本当に不思議です。彼らの頭脳をもってすればインフレの恐ろしさは理解できるはずだろうし、それに対する最適な対策方法も、いとも簡単に分かるはずだと思うのですが。

でも彼らがインフレ対策を講じる事は(なぜか)ほぼありません。彼らは彼らの専門分野・仕事分野では確かに優れた頭脳を発揮しますが、ことお金の事、投資の事については、なぜかその優秀な頭脳を働かせる事をパタリとやめてしまわれます。

確かにご高齢(70歳以上)の方にとっては、今から株式投資に乗り出すのは、なかなか勇気のいることだと思います。なぜなら、もしも全額投資した直後に株式市場が大暴落した場合(人生の先がまだまだ長い若い人と違って)株価の回復( = 老後資金の回復)を待つ猶予・時間が、もしかしたら無いかも知れないからです。

しかし、ご高齢者以外の人々が株式投資をしないのは(私には)ほぼ意味不明です。もしも、投資しない理由を彼らが「私は価値観として投資しない主義なのだ」とおっしゃったとしら、それはたぶん嘘です。これは価値観の問題などではありません。投資できる『知恵』と『勇気』があるかないかの問題です。価値観を持ち出すのは単なる格好つけ、あるいは自らの愚かさと臆病さを隠す誤魔化しに過ぎないと私は思います。

若いのに投資しない人々は、ご自分で「愚か者であり続けること」および「臆病者であり続けること」を不断に選択し続けてらっしゃるのです。

インフレは恐ろしいです。

インフレによって、あなたが持つ現金(銀行預金)は、今現在もリアルタイムで暴落し続けています。

たとえば、2022年1月から2026年1月までの4年間で、日本円は世界の基軸通貨である米ドルに対して実に 30%以上もの価値を失いました。

これを具体的に見ると、2022年1月時点1000万円の銀行預金をお持ちの人は、2026年1月現在までそのまま放置されていた場合、額面は1000万円のままでも、米ドル換算では300万円以上の価値が(すでに)吹き飛んでしまっているのです。下落率30%以上!まさに暴落以外の何ものでもありません。

そしてその世界の基軸通貨である米ドルだってインフレによって価値を失い続けているのです。つまりそれ以下の日本円はどれだけ酷く価値が失われているかているかという事です。今、日本では物価高が騒がれていますが、今の物価高は実はまだ日本円の価値の真の下落分を充分反映できていません。つまり、日本社会における物価高騰 = 日本のインフレの本格的亢進は、これからが本番だということです。

そして、今のインフレは決して一時的現象ではありません。これから中・長期に渡って持続し、加速する可能性すら秘めています。なぜなら、2013年の異次元緩和以来の日銀券(一万円札)の莫大な発行により、世の中には今世紀初頭の何倍もの数の紙幣が、すでに大量にばら撒かれ済みだからです。

米国株市場平均は、2020年のコロナ暴落で 30%以上暴落しましたが、あっという間に回復し、そこからさらに大きく大きく上昇してきました。

今の日本円は、米国株のコロナ暴落なみに暴落しています。しかし、株価と違ってインフレは元には戻りません。一度落ちたら永遠に落ちっぱなしです。これが『株価の暴落』とは違う『通貨の暴落』の恐ろしさです。

銀行預金に大きな金額を入れておられる皆様は、過去4年間の間に、ご自分の資産がコロナ暴落なみに(すでに)価値が落ちてしまっており、しかも(米国株と違い)回復の見込みが全く無い。そういう絶望的な状況にあるという事実を知ってください。目を逸らさず、現実を直視してください。

あなたが持つ銀行預金 = 現金は、わずか数年でその価値を暴落させました。でも、まだまだインフレは始まったばかりです。投資する事すら出来ずに、大量の現金を頑なに銀行預金に預け続けるのであれば、通貨(日本円)の暴落は、これからが本番であり、あなたの資産の価値はこれからますます激減する運命にあることをくれぐれもお覚悟ください。

(文: UEDA / 挿絵:αβγ)


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