第120回 プルデンシャル生命の不祥事に思うこと

, ,

プルデンシャル生命の一部の営業マン(複数人)が、顧客を騙して多額の資金を(特別な運用で大きく増やすと偽り)預かり詐取したとのニュースが少し前に流れました。

私自身は「だからプルデンシャルはダメだ」とは思いません。同じような犯罪が発生する可能性はどんな保険会社でもあり得ると思うからです。それどころか保険会社に限らずいかなる業界であっても、社員が犯罪を犯す可能性はゼロではない。銀行でもだいぶ前に顧客の貸金庫の中身を詐取するという犯罪が発覚したことはまだ記憶に新しいところです。

とは言え、プルデンシャルについては、特にその可能性が高かったのではないか?あるいは、そのような犯罪を誘発しやすい素地・環境があったのではないか?と言うネット上の論説があり、私はこの論説を読んでみて深く納得し「確かにその可能性は高いな」と直感しました。

つまり「営業マンに対するプレッシャーが半端ない」ということです。ネットで調べると、プルデンシャル生命では3年〜5年で40%〜60%の離職率が一般的とのことです。この数値は、ごく一般的な普通の会社と比較すると驚くべき異常値です。

皆様ご存知のように、私は(自動車保険や火災保険などごく少数の例外を除き)ほとんどの保険商品には全く買う価値がなく、むしろ有害であると全否定しています。

私から見れば、彼ら保険のセールスは、純合理的に考えれば全く適切でない商品を顧客に売りつけねばならないのですから、その困難さ・しんどさ・心理的葛藤は想像を絶するものがあると推察します。

それでも買う顧客がいる不思議。

保険を含めて金融商品全般には、そんな不可思議な商品が世の中に満ちあふれています。

例えば外貨預金。わざわざ日本の民間銀行で米ドル預金をするなんて本当の本当に意味不明です。証券口座で米ドルの MMF を買えばいいのに。その方がコストも安いし税金面やその他もろもろ超有利です。

どうぜ米ドル預金として顧客のお金を預かった銀行自身だって、どのみち米ドル MMF を使って顧客の資金を運用しているのです。そこに彼らの手数料(儲け)を乗っけている。だから預金利息は明らかに不利です。

さらに米ドルMMF には為替差益が出ても課税されませんが、米ドル預金の場合は為替差益にバッチリ課税されます。さらに、証券会社がたとえ倒産しても米ドルMMF はホフリに分別保管されていますので安全ですが、銀行の米ドル預金は、銀行のバランスシートに組み込まれていますから、銀行が倒産したらほぼ全額パーです。預金保険機構の保護対象外だし。

このように、銀行の米ドル預金は、証券会社の米ドルMMF と比較して圧倒的に不利どころか、まさに踏んだり蹴ったりです。その米ドル預金が、商品として成立している。買う人がこの世の中に存在する。まさに摩訶不思議としか言いようがありません。

なお、プルデンシャル生命保険の保険商品に限らず、この世に存在するほとんどの保険商品がなぜ全く合理的でないのか?については、私の過去の記事「第5回 元本保証はなぜ愚かしいのか?」で思い切り論じていますので、ぜひこの記事をご参照ください。

ちなみに、、、これはたまたま偶然なのですが、実はこの記事は今から約1年前に書いたのですが、当時プルデンシャル生命の貯蓄型保険に入ろうとしていた知人に「や・め・て・お・け」という私からの強いメッセージをこめて書いた記事でもあります。(笑)

(文: UEDA / 挿絵:αβγ)


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP