日本人の全てではありませんが「歪んだ正義感」あるいは「逆恨み感情論」とも言える間違った愚かな価値観を持つ人間が、この日本では昔から少なからずいました。それは、
「値上げは悪である」
という価値観です。
この価値観は、単に間違っているというだけではなく、極めて大きな実害を日本社会全体に及ぼしかねない、言わば一種の危険思想と言っても過言ではないと私は思います。
今(2026年3月)日本では物価高が進行しています。いわゆるインフレです。これ自体あまり喜ばしくないと思うのは、それはその通りでしょう。なぜなら物の値段が上がると、同じ金額のお金でも買える物が少なくなってしまうからです。
ただし、だからと言って「値上げが悪」という結論はあまりにも短絡的で頭が悪過ぎる。なぜなら(今日本に起こっている)値上げとは、企業やお店が気まぐれで勝手に売り物の値段を上げているのではなく、そもそも日本円の価値自体が下がったという厳然たる事実がもたらした必然の結果に過ぎないからです。
日本円の価値が下がっているのに、料金を据え置く(値上げをしない)ということは、実質的に企業やお店側が損をするという事です。企業やお店の利益が削られ、企業やお店で働く従業員の給料も削られることを意味します。
たとえば1万円札を例にあげます。今の1万円札は、もはや 5年前の 8,500円分くらいの価値しかありません。(過去5年間の平均年間インフレ率を3.1%として計算)だから、5年前に価格が1万円だった物を、もしも今1万円に値段を据え置いたまま売ったとしたら、これは実質的にお店側が 1,500円損したのと同じなのです。
だからお店は、本来的にはその商品を1万1,500円に値上げして売るべきなのです。このように値上げすることによって、ようやく5年前も今も、公平で同じ価値交換、すなわちフェアな価値交換が行われることになります。値上げを悪と考える人は、ご自分がお店側に対して一方的に「損をしろ!」と強要しているのと全く同じであることに早く気付いてください。
そしてインフレは資本主義社会ではデフォルトです。歴史的に激レアな出来事だった日本の(30年間にも及んだ)デフレ経済。これによってデフレ脳に染まってしまっていたデフレマインドからまだ目覚められていない人は、一刻も早く目覚めるべきです。
2024年からは新NISA が始まりました。これをちゃんと活用して S&P500 などに真面目に積立投資をやって来た人は、昨今のインフレに悩むどころかインフレや円安が(かえって)追い風となって資産を激増させておられます。つまり私たち日本人には、ちゃんとインフレに対処し、克服し、超越する手段があったのです。そしてそれは今もあるし、これからもあるんです。「また値上げしやがって!」などと、企業やお店に対してお門違いな恨みを抱いたり、嘆いたりする暇があるのなら、とっとと積立投資を始めて資産形成に取り組んでインフレを自分の(敵ではなく)味方にしましょう!
まとめ
1. 『値上げは悪』という考え方は、日本円の価値下落という事実を無視し、企業や従業員に対して損失を一方的に強要する野蛮で危険な思想であることに気づきましょう。
2. インフレは資本主義社会では当たり前で、新NISAを活用した積立投資で資産形成に(まだの人は)今すぐ取り組みましょう。
(文: UEDA / 挿絵:αβγ)

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