第60回 宝くじがもたらす心理的な悪影響

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「宝くじは愚か者の税金」という言葉があります。宝くじに対するこのネガティブな主張の主な理由は、宝くじの期待値が極めて大きなマイナスだからです。

もちろん、この世に存在する全てのギャンブルの期待値はマイナスです。しかしそれらの中でも、最も期待値がまだしも高いのがカジノです。カジノより期待値が低いのがパチンコ、パチンコより期待値が低いのが競馬です。そして全てのギャンブルの中で期待値が最低レベルなのが宝くじです。

このように、純合理的に考えれば(たとえば)お金持ちになるために宝くじを買うという行為は明らかに愚かです。間違いなく愚かです。これについては100%疑う余地がありません。

しかし、この『宝くじ反対派』に対する反論もあります。以下のような主張です。

「いやいや、宝くじは夢を買うんだから、

期待値なんてどうでもいいんだよ。

あくまでもお楽しみなんだから」

これはこれで一定の説得力を持つようにも見えます。つまり、たとえほとんど外れるとしても、当たり外れが分かるまでの間「もしかしたらお金持ちになれるかも知れない!」という可能性の中に生きることが出来る。つまり夢が見られる。わくわく感を感じられる。これが彼ら彼女ら『宝くじ擁護派』の意見です。

しかしながら、私は『宝くじ』は単なるお楽しみの範疇を越えて、人間の心理に看過し難い悪影響を及ぼすと考えています。

その理由は、宝くじを買うという行為そのものが「自分は自力ではお金持ちになれない」というメッセージを潜在意識に送ることになり、そういう情けない信念・マインドを、自分自身の深層意識に深く刻み込む行為になりかねないからです。つまり自分の心の中に貧乏マインドを染みこませてしまう行為だからです。

ちなみに私は「お金持ち以外はダメだ」と言ってるわけではありません。「自分はお金持ちにならなくても幸せだ」という強い信念さえ持てていれば、私は何も言うことはありません。幸せは人それぞれですから。

ところが『宝くじ』を実際に買う人は、明らかにお金持ちを夢見ています。一攫千金を夢見ています。つまり「人生お金じゃない」と、本気の本気で覚悟を持てているわけではないのです。

「買わなきゃ当たらない」という言葉がありますね。正にこの言葉に良く現れているように、宝くじを買う人は、やっぱり当たりたいわけです!お金持ちになりたいわけです!

お金持ちになりたいにもかかわらず、そのための現実的プランを考えるでもなく、そのための具体的アクションを実行するでもなく、『宝くじ』などという期待値が最悪のギャンブルに(神頼みして)お金を投じる姿は、愚かである以前にみっともないと私は思います。

実際、若い頃(貧乏な頃)から努力をし続けて、ついにお金持ちに到達できた人々は、宝くじを一度も買ったことのない人が多いです。私も買ったことはないし買いたいと思ったことも一度もありません。宝くじを買うためにお金を使うなど馬鹿?くらいに思っていましたし、宝くじみたいな神頼み(しかもほとんど願いが叶わない神頼み)に頼らなくても「自分は自分の力でお金持ちに到達してやる!必ずお金持ちになる!」と思い込んでましたね(笑)心意気的にも、向こう意気的にも、宝くじを頭から全く拒否・拒絶して、以下のような(少しとんがった)思いでおりました。

「宝くじよ!私はお前を全く必要としない!」

(文: UEDA / 挿絵:αβγ)


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