第110回 貯蓄習慣とスカイダイビング

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私は高所恐怖症というわけではありませんが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどに行ってもジェットコースター系の乗り物にだけは絶対に乗りたくないです。ましてやバンジージャンプとか、スカイダイビングなど、絶対にしたくありません。

もしも私の目の前に、ある人物が現れて「私はスカイダイビングの達人だ!どうだ、凄いだろ!」と言って偉そうに威張って自慢してきたとしたら、私は「あー、うん、はい、すごいですねー」と言うでしょうが、心の中では「それがどないしてん?」と思うでしょう。

だいたいスカイダイビングが出来る出来ないなど人間としての本質に何の関係もないし、スカイダイビングが出来ないからといって、人としての価値が劣っているわけでもありません。当たり前ですよね。

しかしです! もしも私が必ずスカイダイビングをしなければ死ぬ! という特殊な事態(いったいどんな事態やねん?と思いますが単なるひとつの例えです)に直面する運命であることが、あらかじめ前もって分かっていたとしたらどうでしょう? そりゃあ嫌でもとにかく、泣く泣くスカイダイビングの訓練を私は受けるでしょう。さもなければ私は確実に死ぬからです。私は死にたくありません。

少し話を変えます。

お金持ちだからといって、人間としての価値が高いわけではありません。決して他人よりも偉いわけでもない。つまり、お金持ちな人も貧乏な人も、人としては完全に対等です。

しかしです! 私たちが住むこの社会は資本主義社会です。現実問題として、お金持ちである事はこの資本主義社会では断然、圧倒的に有利です。「お金では幸せは買えない」といくら綺麗事を言ってみても、現実問題お金持ちだと幸福になれる可能性が爆上がりするのは厳然たる事実です。逆にお金がないと、本当に大切な人も、本当に大切な物も(ご自分の誇りでさえも)守りきれない事態だって大いにあり得ます。

さらに論を進めましょう。

貯蓄(※)習慣があるからといって、人間としての価値が高いわけではありません。決して偉いわけでもない。つまり、貯蓄習慣のある人も、貯蓄習慣の無い人も、人としては完全に対等です。もしもあなたがまだ貯蓄習慣を身に付けられていなかったとしても、別にあなたの人間としての価値が劣るわけではありません。繰り返しますが、貯蓄習慣のある人も、貯蓄習慣の無いあなたも、人としては完全に対等です。

しかしです! 私たちが住むこの資本主義社会においては、「貯蓄習慣をついに身に付けられなかった人々」は、、、極めて大きな確率でいつか必ず経済的に死にます。注意していただきたいのは、仮にお金持ちになれなかったとしても必ずしも経済的に死ぬとは限りませんが、「貯蓄習慣の無い人」はほぼ確実に経済的に死ぬという事です。

これからの日本社会を今までの日本社会と同じだと思わないことです。親世代が(貯蓄習慣が無くとも)なんとか無事だったとしても、あなたの世代は残念ながら無事では済みません。今までは死を免れたとしてもこれからは死にます。生物学的な死ではありません。経済的な死です。

経済的な死とはすなわち貧困層への転落です。ご存じですか? 2026年1月現在、高齢世帯の実に4世帯に1世帯が貧困世帯であるという現実を! 彼ら彼女らは現役時代に必ずしも給料が安かったわけでは無いのです! そうではなく彼ら彼女らのほとんどは、貯蓄習慣を(ついに)身に付けられなかった人々なのです!

もしも、あなたの周りで貯蓄習慣の無い人(高い給料を今を楽しむことに全額使い切っている人)が多かった場合は極めて危険です。なぜなら人は周囲の環境に影響されやすいからです。この場合、周囲に決して影響されないよう強い意識的な意志の努力が必要です。

いいですか。今、世の中で「貯蓄習慣をちゃんと身に付けられている人々」のほとんどは、成人する前(大人になる前)に身につけられた人々です。そして貯蓄習慣というものは、歳を取れば取るほど身に付きにくくなります。10代よりは20代、20代よりは30代。どんどん難しくなります。そして40歳までに貯蓄習慣を身に付けられなかった人々の大多数は、残念ながら死ぬまで貯蓄習慣が身に付きません。これは統計学上の事実です。

新社会人となられた皆様、貯蓄習慣を身に付けられないまま歳を取る事は極めて危険です。20代前半より、20代後半の方が貯蓄習慣は身につきにくくなります。今年よりも来年は、より貯蓄習慣が身に付きにくくなっています。だから今、もっと強い危機感をもって「ご自分に貯蓄習慣がまだ無い事」を恐れてください。恐れ慄(おのの)いてください。とりわけ年収が平均より高い人が一番危ないです。

貯蓄習慣が身についていない高年収者は「経済的な死」に一番近いのだと心得てください。なぜなら高い年収の人が貯蓄習慣が無いという事は、高い年収を全て使い切っているという事であり、つまり「生活レベルが高い」ということだからです。人は一度上げてしまった生活レベルを落とすことは極めて難しく、ほとんどの人が出来ませんから、低年収の人よりも高年収の人の方が、ずっと老後破綻の危険性が高いのです。

スカイダイビング。

私はそれをマスターしようとは思いませんが、それでももしマスターするのなら、そりゃあより若い人の方がよりマスターしやすいに違いありません。歳を取れば取るほどマスターするのは難しくなるはずです。貯蓄習慣も同じです。身に付けるなら年齢は若ければ若いほどいい。あなたがすでに20代でまだ貯蓄習慣が身に付いていないのなら、すでに黄色信号は点灯していると思ってください。貯蓄習慣を身に付けるなら今です!

残念ながら、貯蓄習慣の無い人は投資をいくら勉強しても全く無駄です。なぜなら投資には投資元本が絶対に必要だからです。私にとっても、貯蓄習慣のない人を救う方法は正直分かりません。完全にお手上げです。この世に実在するリアル人生ゲームの、いまだスタートラインにすら、貯蓄習慣の無い人は着けていません。いやそれどころか『貧民コースまっしぐらゲーム』あるいは『天国か?地獄か?大博打ゲーム』(ちなみに99.99%地獄行き)のスタートラインに立ってしまっているとさえ言えるでしょう。

貯蓄をする習慣の無い者は、大物になる素養がない。

と、(名前は忘れましたが100年以上昔の)あるアメリカの大富豪は言いました。私ならこう言いなおします。

貯蓄習慣の無い人はお金持ちになる素養がない。それどころか貧乏人の素養を完備してしまっている。

2026年正月。今こそ、今度こそ始めましょう! 生涯に貯蓄習慣を身に付けられる確率が、今よりもさらに下がってしまわないうちに。

(文: UEDA / 挿絵:ネットの拾い物)

(※)貯蓄とは、貯金や投資も含んだ広い意味での蓄財行為を指します。


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