第117回 家を買う時に絶対にしてはいけない事

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もしも家をお買いになる(あるいは新築する)のなら、その行為が資産運用的に超絶不利な戦いである事だけは、まずしっかりと自覚しておいてください。

家は(都心など将来地価上昇が見込めるエリアに建てる場合を除いて)100パーセント居住目的( = 生活の必要)オンリーで考えるべきです。まかり間違っても、自宅が「将来の資産になる」などと阿呆な事は思わない事です。あなたがローンを支払い終えた頃には、あなたの木造家屋の市場での評価額は完璧にゼロです。

あなたは、将来必ず値下がりするどころか間違いなく価値がゼロになると最初から分かっている物体( = 自宅)を手に入れるために、数千万円もの借金をしようとしているのです。いわば倒産して価値がゼロになる事があらかじめ分かっている会社の株を数千万円分も借金して買う!というとんでもなく酔狂(すいきょう)な行為をしようとしているのです。「借金して買っても、いつか自宅は自分の資産になる!」なーんて寝ぼけたことを思っているのなら、それこそ阿呆の極みです。投資家としての目線で普通に考えれば明白ではありませんか。「家」は絶対に資産ではあり得ず、間違いなく負債です。ロバート・キヨサキ氏が著作「金持ち父さん貧乏父さん」に書いている通りです。マイホームとは負債の塊(かたまり)です。

それでも、生活の必要上どうしても自宅を手に入れたい状況に直面されておられるなら、絶対にしてはいけない事だけは知っておいてください。それは

自宅に馬鹿馬鹿しい『夢』を見ること

です。そうではなく、快適に住めればいい。まるでお部屋を借りる時のように利便性第一主義で考えること。合理的でない一切の執着を捨て、くだらない見栄を捨て、純然たる機能性や安全性のみを考えること。そして可能であればなるべくコストダウンを意識すること。

「家」は確かに生活を豊かにする一面があります。「家」は休息を与え肉体と精神を整える機能があります。子供を安心して産み育てられる場所でもあります。だから私は「家」を所有することを必ずしも否定はしません。ただ「お金持ちになる」という人生の大目標にとって足枷(あしかせ)となる事実は変わりありません。だから、どうしても「家」を持つというのであれば、そのマイナス面を全力で減らす強い意識的努力が必要です。

まず、購入価格の決定方法は「自分が叶えたい家の購入価格」で決めてはいけません。「欲しい」ではなく「支払える」で決める。それも単に「自分が毎月無理なく支払える金額」ではなく「自らの真の資産を築くための毎月の積立投資だって同時に十分続行可能な支払い金額」をまず一番最初に割り出す。そして、インフレの長期化が明らかである以上、35年ローンは固定金利。これで総額を逆算する。通常、固定金利は変動金利の倍以上になりますが、金利の増加分は必要経費と考える。固定金利では毎月返済額がきつくなるというのなら、そもそも建てる家を小さくして「家」にかかる総費用じたいを抑えるべきです。

ちなみに、たとえ「家」を一括現金で買えてしまうだけの金融資産をあなたがすでに所有されていたとしても、絶対に不動産をキャッシュで買うという大馬鹿をやらかしてはいけません。ご自分の金融資産には絶対に手をつけず、お手元で運用を続行すべきです。つまりマイホームは必ず35年ローンを組んで銀行のお金(他人資金)で買うべきです。なぜならローン金利よりもあなたの資産運用成績の方が(少なくとも長期的には)遥かに遥かに上だからです。そもそもあなたが運用する「運用資産」はあなたの「命」です。たかがマイホームごとき物のために1ミリだって棄損してはなりません。

話を戻します。「家を買う」という行為は「お金持ちになる」という目標にとっては明らかな大逆風です。だから、それでも欲しいというのなら、全力でその大逆風を和(やわ)らげる努力をするしかありません。万が一にもここをミスすると、お金持ちになれる可能性が一生涯失われてしまう!というとんでもなく恐ろしい(絶対に避けるべき)挽回不可能な事態に陥(おちい)りかねませんので、本当にくれぐれも慎重に慎重に。厳に注意して事に当たってください。

(文: UEDA / 挿絵:αβγ)


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