第118回「生存のための労働」から脱却し「職業の道楽化」を目指そう

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私は以前「第116回 日本の経営者の多くは実質的に労働者階級である」というブログ記事の中で「働かざるもの食うべからず」という格言を取り上げました。そしてこの格言は「庶民脳ゆえの愚かなクソ思想」であると断言しました。なぜならこの格言は、私達が生きるこの資本主義社会をいかに攻略すべきか?という問いに対して、多くの人々を大きくミスリードしかねない恐ろしい毒性がある格言だからです。

私としてはさらに追加して「冷酷で非人道的な悪の思想」であるとも断罪して改めて全否定させていただきます。なぜならこの格言は、働きたくても働けない人の人格と生存の権利を否定しているからです。

何度も申し上げますが、私は労働は好きなほうです。ただしこの私が好きだという労働とは、人から命令されたり強制さたりしてする労働ではなく、あるいは生きるために(生活の糧を得るために)やらざるを得ない労働でもなく、自ら「これは世の中の役に立つ」と確信し、自らの自由意思と自由選択で実行する労働です。そしてこれこそがすなわち、かつて本田静六さん(※)が提唱した、正に「職業の道楽化」そのものです。

とは言うものの、社会人生活をスタートさせたばかりの多くの若い皆様は(ほとんど多くの場合)「生存のための労働」からまずは始めるしかありません。たとえ百歩譲って幸運にもご本人の好きな職業に就けたとしても、世の中はなかなか厳しいですから「職業の道楽化」など(一部の天才か、仏道修行によって悟りを開いた超人でもない限り)到底望むべくもない事でしょう。これは人生のスタート地点では誰しもほとんど同じであり、まぁ仕方ありません。

しかし目標だけは高く掲げるべきです。スタートしたての若い今からです。あなたは「職業の道楽化」を目指すべきです。そして私たち凡人がそれを実現するためには(本多静六さんのように)資本家になるしかない。すなわち生活の糧を得る手段を、労働収入中心から資産収入中心にシフトするしかない。これを実現するために若い今からしっかりと計画し、若い今からその計画を着実に実行に移して行くべきです。

多くの人々が憧れるファイヤー(FIRE)、ファイナンシャル・インデペンデンス・リタイヤ・アーリー、すなわち経済的独立を果たし、早く(若くして)引退する。素晴らしい目標です。ぜひ目指してください!ぜひ実現させてください!

もっとも、ついに経済的独立を果たし、実際にリタイヤ(引退)してみると、、、最初のうちは確かに天国気分です。旅行だろうが趣味だろうが、したい放題だからです。でもすぐ退屈になるそうです。海外に旅行しまくっても、趣味に打ち込みまくっても、自分の楽しみだけの追求って割とすぐに飽きてしまうらしいんですよね。

そして仕事したくなります。と言うか「自分のため」以外の何かをしたくなります。何か「人のためになる事をしたい」「私という人間が世の中の役に立っている!という実感が得られる事をしたい」という気持ちが自然に湧き上がって来ます。そして「私が世の中に役立てる仕事とは一体なんだろう?」と深く考えるようになります。そうしてついに見つけた仕事こそ、道楽( = 人生のお楽しみ)の職業です。そして、その時初めて心の底から労働が楽しくなります。もちろん労働である以上しんどい時もあります。でも楽しい!

あるいは、リタイヤ(引退)せずに今までの仕事を続けた人は、今までやってきた仕事が「生存のための労働」から「道楽化した職業」に大変化します。わかりますか? この大変化の本質が! 今までと全く同じ仕事をしていたとしても世界が違うのです! 楽しいのです!

「人生の最大幸福は職業の道楽化にある。」

本田静六

ぜひ、この境地に辿り着きましょう! 少しでも若いうちに!

(文: UEDA / 挿絵:αβγ)

(※)本田静六:東京帝国大学農科大学教授となり、「月給4分の1天引き貯金」を元手にした投資で巨富を築き、定年退官とともに全財産を寄付した。これからお金持ちを目指す人々にとって重要な学びの対象のひとりとされている。


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