日本の多くの社長さんなど法人の経営者の皆様は「私は経営者なので労働者階級ではない」と思っておられるかも知れません。しかし私は、それは完全に勘違いであり間違いである可能性が高いと思っています。日本の経営者の多くは(大企業の雇われ社長さんはもちろん、中小企業のオーナー社長さんであっても)ほぼ間違いなく実質的には労働者階級です。
なぜなら、自らが生きるための糧の大部分をご自分の労働収入から得ておられるからです。つまり、その会社で働いて自らが稼いでいる限り、その会社からの給与収入に頼って生活している限り、入社したての平社員だろうがベテラン幹部だろうがトップの社長さん(経営者)だろうが、年収400万円台の平均的サラリーマンだろうが年収1億円のスーパーサラリーマンだろうが、全員等しく労働者階級です。
おそらく皆様ご存知だとは思いますが、私たちが生きるこの資本主義社会において「豊かになるため」の攻略法は、すでに200年以上昔から確立されています。その攻略法とは自らが生きるための糧を、労働収入からではなく資産収入から得られるようにする事です。具体的には株を持って株主となり(たとえ自分は何もしていなくても)株式から自動的に得られる資産収入によって生活できる状態を築く事です。
だから、人生をスタートしたばかりの頃には労働者階級である事は仕方ないとしても、一生懸命働いて稼いで蓄財し、いつの日か必ず充分な数量の株式を保有する株主となり、つまり資本家にならなくてはいけないという事です。そうなるまでは、たとえ会社のトップであっても(資本家階級ではなく)労働者階級です。
もちろん自らの会社を株式会社にして、その株を大量に保有して、しかも自分が会社の実務から完全に抜けても(いなくなっても)会社が自動的に操業され、自動的に安定成長できる状態をすでに築けているオーナー社長さんは資本家階級です。でもまだその体制が完成できていない社長さんはみんな労働者階級です。
逆に言えば、たとえサラリーマンであっても、家庭の主婦であっても、十分な規模の(例えば S&P500 などの)株を持っているなら(見かけ上は労働者階級に見えても)実質的・本質的には資本家階級です。
多くの人々が勘違いしがちなのですが、資本家と労働者を分けるものは給与額(つまり年収)ではありません。あくまでもいかに巨大な株式などの資産を築けたかどうか、ただただこの一点のみです。たとえ年収1億円プレーヤーの人でも、稼いだお金をことごとく贅沢な暮らしに消費して、蓄積した資産がほとんどゼロなら、彼(or 彼女)は単に給料の高い上級の労働者に過ぎず、労働者階級である事実には1ミリの違いもありません。
日本の経営者の皆様は今こそ目覚めるべきです。現在あなたの会社が繁盛し発展しているのなら、それはそれで結構な事です。しかし時代は常に移り変わり、長期的には必ず大変革の時を迎えます。あなたが現在いかに優れた経営者であったとしても、そもそもあなたは所詮ひとりの人間に過ぎません。つまり生物学的宿命から逃れられません。すなわち、あなたはやがて必ず老いるのです。そしていつか必ず死ぬのです。
自らの事業の永続を願うなら、100年企業を目指すなら、必ず事業の現在の果実を「時代を越えて成長する永続性の極めて高いもの、優れて強靭なもの」に移し替えることが必須です。つまり、自らの会社のための『基金』すなわちファンドを築くことが絶対に必要なのです。これは本当に必ずです!
個人も法人も同じです。個人が新NISA で株式資産を築き上げるように、法人も巨大な株式資産を築き上げるべきです。
特に日本では昔から「本業で稼ぐのが真っ当であり、株式で儲けるなど邪道だ!」みたいな考えがあります。しかし、これは資本主義を全く理解できていない庶民階級の愚かな考えに過ぎません。
今現在ですら、この愚かな考えから脱却できていない人々が(銀行の方々にも、税理士の方々にも、会計士の方々にも、そしてもちろん経営者の方々にも)世の中に溢れかえっています。しかし先の言葉は(繰り返しますが)いわゆる「働かざるもの食うべからず」と全く同じで、感情的で感傷的な「労働を崇め奉り(あがめたてまつり)たい願望」にすがりつきたいだけの完全に間違った(しかも有害ですらある)庶民脳ゆえの愚かなクソ思想以外の何物でもないと気づいてください。(※1)
本当に世代を超えて繁栄し続けたいのなら、世界中を歴史的に見渡して世代を超えて永続し続けて来た存在とはいかなる存在だったのかを冷静に観察してみることです。ノーベル賞財団、ハーバード大学、ロックフェラー財団、等々。これらの存在は、第一次世界大戦、第二次世界大戦、米ソ冷戦、ベトナム戦争、ソ連崩壊、さらに21世紀以降の様々な時代の激変を生き延び続けてきました。
彼らに共通するものとは一体何だったのでしょう? それはいずれも『基金』= ファンドを持っていたと言う事実です。ファンドを通して世界中の適切な株式市場その他の投資対象に分散投資し、経済的基盤を維持・発展・膨張させ続けて来たということです。
「国家百年の計」
なんと美しくもかっこいい響きのある言葉でしょう!いかなる人も、サラリーマンも、法人の経営者も、家庭の主婦も、自分と自分の子孫たち(あるいは後継者たち)のために、ぜひ百年の計を図(はか)ってください。そして、巨大な株式資産を築き上げる事、そして、あなたの後継者にその資産を維持・発展・膨張させ続ける能力を授ける事、さらにあなたのお金と投資の哲学、すなわち『帝王学』を子々孫々に伝え続ける道筋を開く事こそが、間違いなくあなたの『家族百年の計』を図る事に他ならないのです。
(文: UEDA / 挿絵:αβγ)
(※1)ちなみに私は労働自体は大好きです。このブログも三日に一度の更新を、スタートして以来まる1年近く(嬉々として)続けていますし。労働を愛することは素晴らしい事だし、そうであったほうがこの世に実在するリアル人生ゲームを攻略する上でも有利です。しかし、いつまでも労働にすがり続けてはいけませんよ!という事です。労働から永久に脱却できる道を全力で追求し、必ず実現させなければいけませんよ!という事です。

第118回「生存のための労働」から「職業の道楽化」へ | お金と投資の哲学 へ返信する コメントをキャンセル